今まで入れ歯も入れてなくて上下全体にほとんど歯がなくて前歯が明日にも抜けそうで困りきった口腔崩壊度第一級の患者さんの症例。マスクなしでは人前に出られない、食べることもできない、話すことも出来にくい、仕事も出来ない。いよいよ困りきった患者さんの症例
この症例の患者さんの特徴
・年齢は40~50歳代
・代表例①とほとんど同じ特徴ですが大きく異なるのはいままで何とかなる入れ歯に恵まれてない点です。一応使える古い入れ歯でもあれば歯の程度ももう少し軽いしとりあえずの入れ歯の応急処置も出来るのですがなんとかつかえる入れ歯がない場合はかなり大変な状態になっています。
治療
まずとりあえず健康維持と日常の社会生活への最小限の適応ができるように、上下(またはどちらか一方の)仮義歯を一週間でつくります。グラグラの歯であってもこの歯までなくなってしまっては仕事も出来ないし、日常生活が出来ないので何とか抜けないように工夫しまず義歯の型をとります。そして一週間後に何本もの悪い歯を抜歯すると同時にすぐ仮義歯を装着します。
型をとって一週間の間に患者さんの顔・口腔の写真や昔の歯が揃ってる時の写真を参考に、技工士さんと人工歯の配列(歯を並べる)を咬合器という器械の上で患者さんのあるべき歯並び・咬み合わせを想像しながらつくっていくのです。
入れ歯を作るには通常正確な型をとり、咬み合わせ、歯並びのチェック・調整など入れ歯完成までには様々なステップを経て完成しますが、このようなケースの仮義歯つくりでは時間もありませんし、グラグラの歯を抜いたり、不良な冠やブリッジをはずしたりする前に型どりして咬み合わせや歯並びを想像してつくります。
仮義歯装着当日に抜歯しすぐ仮義歯をいれたり、装着日の前日の夕方に、グラグラの歯やブリッジなどを抜歯したり、はずしたりし、後はマスクをしていただき翌朝一番に仮義歯を入れます。しかしこの仮義歯装着時には、相当の時間を要することがあります。そもそもグラグラする抜けそうな歯を抜けないように型をとり本来正確でなければならない模型・咬み合わせは、はっきりしない部分も多い模型上で、はっきりしない咬み合わせで歯を並べて完成するので、完成した仮義歯は上下のズレやヒズミが相当ある場合もあります。しかしこの事態は予想済みで私たちは真剣勝負で患者さんの口腔に向き合い調整・修正し、1~2時間かかることもあります。患者さんも治療の後にすぐ仕事や、日常生活が待っていますので、あとは「明日にしましょう」とも「お昼までに修正しておきますから」とのんきな事は言っておれません。
しかし全ての調整が済み、入れ歯が口腔に装着されますと顔・口腔の様子が一変し、ほぼ正常な顔・口腔に変化するのです。
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